ベトナムとカンボジア、隣り合わせのこの2つの国は、近現代史の荒波に翻弄され続けた国でもあります。さらに日本もこの2つの国の歴史に深く関与してきました。
 同じアジアのこの3つの国が、もっと仲良く、そして互いを尊敬しあえるような関係になってほしい・・創立以来この3つの国で支援活動を続け、ベトナム・カンボジアの人たちから多くのことを学んできた私たちARBAが、ささやかな恩返しとして3つの国の鎹(かすがい)になることはできないだろうか・・・そんな想いから「となりの暦」は生まれました。

 昨年に引き続き、この暦は英語をまったく使わず、3つの国のことばだけで創りました。
異なる3つの国の人たちが不便なく使えるよう、祝日もすべて載せました。
互いの言葉を知ることで、2つの国をもっと身近に感じてほしい、国際化といえば英語一辺倒の風潮とは違う、同じアジアの「となり」の国を「となり」として感じてみよう。
それが私たちの考える「グローバル化」なのです。

使われている写真はそれぞれの国に滞在するARBAの駐在員や会員が生活の中で撮影した「日常」の風景です。観光地ではなく、日常の風景の中にこそ互いを理解するきっかけがあるのではないか、と考えたからです。
これらの写真には、それぞれの風景に込められた物語があります。
ご覧になれば、きっと写真を巡ってさまざまなストーリーが湧いてくると思います。となりの国の人たちは、祝日にはどんなお祭りがあり、家族でどんな過ごし方をするのだろう・・・

 異なる国に暮らすひとりひとりが、毎月の写真を眺めながらそれぞれの国の物語を想い描いてほしい。そのため写真には撮影地も撮影者の名前も記載していません。

そしてもし写真にまつわる物語を撮影者からじかにお聞きになりたい、または撮影した現地を訪れてみたい、と思ったら、ぜひ私たちにお便りをいただければと願っています。
これが私たちの願う「暦からはじまる国際交流」なのです。

世界に2つとないこの暦で、そんな楽しみ方をしていただければ私たちにとってもこの上ない喜びであります。

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